二重床の施工手順

技術情報施工に関して二重床の施工手順

(1)準備作業(事前打ち合せ、部材の確認)

1.遮音際根太の施工にあたり、防振ゴム(中キャップゴムまたは三段ゴム)及びパッキン材の仕様の確認をする。

2.スラブは乾燥され、平滑で硬く且つ清掃されていることを確認する。

3.スラブ上に断熱ウレタンの吹き返しがあり根太材や支持脚ボルトに干渉する場合は、∅50mmのホールソーで干渉する断熱ウレタン部分をきれいに剥ぎ取る。この場合、その部分の断熱補修はしない。

4.壁際より150mm以下は、支持脚がくることを想定し、配管等が設置されていないことを確認する。

5.玄関上がり框、ベランダ掃出しサッシ下枠、ユニットバス入口扉下枠等のレベルを確認する。

6.部材が仕様書通りか図面で確認する。


(2)遮音際根太の取り付け

1.基準墨からレーザーレベル器で遮音際根太のレベルを確認する。

2.根太材は部屋の間取りや壁の長さに応じてL=350〜1450程度にカットし使用する。

3.根太材に支持脚を取り付ける。受金物のピッチは壁面に対しては@600mm以下、開口部掃出し部に対しては@400以下とする。

受金物U型は、根太材の壁側面溝にフック部分をかけ、ガイド部を反対面にきちんとはめ込む。

4.パッキン材は、支持脚横の根太材に取り付ける。

5.遮音際根太の配置は、周囲の納まりを確認して割り付ける。遮音際根太同士の間隔は50mm以下とする。

6.パッキン材を取り付けた遮音際根太を手で支えながらゴムが接地するまで支持ボルトを回す。マイナスドライバーで支持ボルトを回しながら微調整してレベルを決定する。レベルは、レーザーレベル器で正確にとること。

7.出隅、入隅に施工する際は、ベースパネル短手、長手方向どちらか一方の支持脚を端部から50mmの位置にくるように設置する。ハネ出しは支持脚の芯から150mm以下とする。出隅、入隅が350mm以下の場合は補強支持脚での対応も可とする。
 

8.遮音際根太のレベル出し完了後、支持脚が動いていないことを確認し、すべての支持脚の上部及び中キャップゴムの周囲にボルトロック接着剤を適量流し込みボルトを固定する。


(3)ベースパネルの取付け

1.ベースパネルの表面には、著しい凸凹、汚れ、小片のはがれなどがなく、かつ、使用上有害なねじれ、反りなどがあってはならない。ベースパネルに反りがある場合は、膨らんでいる面を上にして施工する。反りの許容は1820mmに対して3mm以下とし、3mmを超えるものはカットして使用する。

2.根太位置よりベースパネルを敷き込む。貼り始めのベースパネルサイズは真物 (W600×L1820mm)とする。貼り仕舞いが300mm未満になる場合は1枚手前のベースパネルで調整し、貼り仕舞いも真物を敷き込む。ベースパネルの最小寸法は300mm×600mmとする。

3.配管周りの取合いは、ベースパネルと立ち上がり配管がこすれない様にクリアランスは20mm以上確保する。

4.壁面とのクリアランスは隙間ゲージ等を使用し、15mm程度 に納める。ベースパネル受けの二連支持脚を取り付ける。ベースパネルの長手方向は隙間ゲージを使用し20mm程度開ける。ベースパネルの短手方向は5mm程度開ける。際根太と重なっているベースパネルの上から300mmピッチでコーススレッドにて固定する。

5.2列目以降は千鳥貼りとする。

6.支持脚とベースパネルをコーススレッドにて締め付ける。

7.ベースパネル敷き込み作業と平行して各列ごとに支持ボルトを上から回して、レーザーレベル器等を用いてレベルを調整する。支持ボルトは、調整範囲内で使用すること。  

8.最後に歩いて床の浮き・床鳴りがないか確認する。

9.全ての支持脚の上部からボルトロック接着剤を適量流し込み、ボルトを固定する。
 ※接着剤が硬化するには、1〜2日くらいかかります。但し、12時間程度経過すれば、歩行や軽作業は問題ありません。


(4)捨貼合板の施工

1.壁と捨貼合板は15mm程度のすき間を取る。仕上げ材がCFシートの場合はすき間を3mm程度とする。

2.捨貼合板の目地は、ベースパネルの目地から100mm以上ずらすこと。

3.捨貼合板同士は3mm程度の隙間を空け、スクリュー釘を使用してベースパネル目地より30〜50mm程度離して捨貼合板を止めること。釘打ちは200mm以下の間隔で打ちつけること。

4.床レベル誤差2/1000mm以下を目標とし、最終の調整と点検は必ず行う。

5.捨貼合板上にベースパネルのジョイント部を墨打ち(目印)をする。

6.ベースパネルおよび捨貼合板施工後は、間仕切り壁、造作工事が完了するまではプラスターボード等の重量物は置かないこと。但し、間仕切り壁、造作工事に使用する材料を置く場合は、LVLが1箇所(4列5段)20束、LGSが1箇所(6列5段)30束までとする。